机のうえにフランスとベトナムが。食べものはイタリア。


さっき
本屋へ行った。

確かな用事も
なかったのだけれど
ドーナツを買って
食べながら歩いていたら
そこへ行きたくなって
しまった。

まだ、空は明るくて夕刻の
そんな時間に。

入り口を入ると
すぐ目の前に平積みされた
天声人語を書き写すノートが
あった。

あの天声人語だが
それをみたとき
何か
あー
確かに書き写すというのは
妙に頭に入るのも
そうだけれど
気持ちが入るのも
僕は感じていたので
どこかそれをみつけた
ことに安堵感をいだいていた。

その本というか
ノートに心満たされて
更に言えば
バッグの片隅に心なしか
居心地の悪そうな
ドーナツを思い出し
そこに行きたかった
気持ちが晴れた日の
葉の水滴が渇くような
流れで
また、入り口を出て
街へ戻った。

あ。

今日は友人が
くる日だった。
やっと
思い出したのだ。

何か毎日のなかで
どうしてもある方向へ
勝手に動いてしまうときが
ある。
もう、魚のムニエルは
アルミホイルで包み
オーヴンで焼くみたいに。

それは不確かな感覚で
でも、良いことに導かれる。

また、ドーナツを
食べながら
足早にアパートへむかった。
すこし
頭の片隅で
天声人語に感謝しながら。

テーブルの上にひろがる
フランスやベトナムや
イタリアの小さな
料理が待っている。

  


2011年12月14日 Posted by un at 10:57Comments(0)