走ったあとにゆっくり歩いて手のひらを広げてみる。
風を感じ
木々がすり合う様子を
耳できく。
ほかの音を
重ねて、その音を頭で
理解するのではなく
感じるようにする。
前は毎日のことを
知っていたかのように
過ごしていたが
なんだかこのごろは違う。
昔のかおりが
漂う日々がおおい。
知っている筈なのに
知らないような、それ。
小学生のときの
下校時刻が過ぎた校庭のかおり。
バス停の近くにある
畑から見おろす街の景色と
秋の稲穂のたゆたう姿と
そのかおり。
家族とすごした
旅の帰り道の香り。
香りばかりだ。
明日は木曜日。
がんばろう。
仕事も。
一つうまくいかなくても
倖せな日々に変わりは
ないのだから。
紡ぎ
紡ぐ
毎日。
大切なものを忘れてはいけない。