キッチンの前でふと考える。


waveradioで
友人にもらった
音楽を聴き
左手で
赤か白か
迷いながら
コルクをあける。

窓には
雨が滴っていて
木がまるで蜃気楼のよう。

火がついたコンロの
まわりに揺蕩う香り。

なんだか
何時か分からないけれど
小さいころの
テーブルに並べられた
料理をおもいだす。

そう
いつからか
分からない。

すこしの時間の
キッチンに立って
ワインを呑むのが
心地よいのも。

産地やラベルの
配置に気持ちを寄せるのも
いいけれど
新鮮なそれが
フライパンや白い鍋の
なかで揺れているのが
奥ゆかしい。

いや
もしくは
香っているのを
感じるのが
うれしい。

だから
鼻や目で
追いかけるのだ。

今日は何月だっただろうか。

一週間の
毎日の奥ゆきを
こんなに想えるのは
恵まれている。

雨。

それは
考えるよりも前に
雪にかわる。

見える風景は
何かをおおう様にして
美しく
白の世へといざなう。

僕と街と
小さな木を。



2011年03月22日 Posted byun at 12:12 │Comments(0)

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